リレンザ、イナビル、ラピアクタ等のインフルエンザ薬

2019年09月09日
鼻をかんでいる女性

リレンザ、イナビル、ラピアクタといえば抗インフルエンザ薬として処方されます。
リレンザは成分名をザナミビル、イナビルは成分名をラニナミビル、ラピアクタは成分名をぺラミビルといいます。
これらはインフルエンザウイルスの増殖に関わるノイラミニダーゼという酵素の発生を阻害しウイルスの増殖を抑えるノイラミニダーゼ阻害薬に分類され、A型・B型のインフルエンザウイルス感染症治療に効果があります。

投与方法に違いがあり、リレンザとイナビルは吸入タイプでラピアクタは点滴として静脈注入されます。
リレンザとイナビルの違いは吸入回数にあります。
リレンザは1日2回の吸入を5日間続ける必要がありますが、イナビルは長時間効果が作用するので吸入回数は1回のみです。
正しく使用できるように薬局で薬剤師の指導を受けながら使用するのが一般的です。
ただ使用が1回だけなので熱の再発が起こる可能性があります。
ラピアクタは1回15~30分かけて点滴静注されます。
直接静脈に投与されるので効果が現れるのが早いです。

副作用として報告されているのはリレンザが下痢や発疹等、イナビルは下痢や胃腸炎等、ラピアクタは下痢や白血球減少等です。
いずれも軽度で重篤なものの報告は少ないとされています。
身体に合わない時は服用を中止しすぐに病院を受診して医師に相談する必要があります。
ラピアクタには異常行動やせん妄などが生じたという報告があるので小児・未成年者は投与後誰かが必ず付き添い、一人にしないようにする必要があります。

リレンザやイナビルの使用により胎児の催奇形の発症や流産・早産といった事例が見られることはなく妊娠予後にも悪影響はなかったとされ、妊娠中でも使用できます。
また母乳中の薬物濃度も許容範囲内であったことから授乳中でも使用できます。
重篤な副作用の報告が少ないこともあり、妊娠中や授乳中でも安心して服用できます。
 
リレンザやイナビルはラピアクタと違い、インフルエンザを予防する目的で吸入することが可能です。
抵抗力の弱い高齢者や小児、糖尿病等や腎不全等に罹患されている方及びステロイド内服されているといった免疫力が低下されている方等に対して予防的に使用されています。

それぞれのインフルエンザ薬の処方対象

インフルエンザに対する効果は類似しているとされているリレンザやイナビル、ラピアクタですが、その投与方法の違いによって処方対象を考慮する必要があります。

リレンザやイナビルは吸入薬なので肺疾患や喘息等の疾患で十分な吸入が困難な方や吸入することができない幼児や子ども、認知症等で指示動作の入らない方や慢性疾患や体力の低下等により吸入機能が低下している高齢者等は、最後まで吸入しきれず効果も出にくいため処方対象として向いていません。
よって吸入がきちんとできる年齢に達した子どもや成人、比較的身体能力の良好な高齢者が処方対象として有効であると言えます。

また、成人はその生活スタイルから回数や服薬日数が長いものより利便性を重視する傾向があり、5日間の吸入が必要なリレンザよりも、1度の点滴で済むラピアクタや一度の吸入で済むイナビルを処方されることが多いとされています。

ラピアクタは吸入や内服薬が服用できない子どもや高齢者に対し使用され効果を発揮しています。
薬の経口的服用や吸入による服用が可能である限り、リレンザやイナビルの使用を優先的に考慮しその上でラピアクタを使用するかどう検討するようにという内容の記載が添付文書にあるため、国内でのラピアクタの10~64歳未満での使用率は5%未満にとどまっています。
ですが、熱性けいれんを起こしてしまった乳幼児や服薬や食事摂取のできない高齢者等に対する使用率は増加しています。

どのインフルエンザ薬も最後まで飲み切る・使い切るということが大切になります。
どの対象患者も無理なくインフルエンザ薬を服用でき、薬による十分な効果を得ることができるよう考慮して処方される必要があるのです。